臨床研修について病院長の挨拶

初期臨床研修を始める諸君へ

近畿大学医学部奈良病院は、平成11年10月に、奈良県生駒市南部の緑豊かな丘陵地に開設されました。

開院して10年たちましたが、奈良県地域医療の基幹病院として発展しつつある病院です。職員も将来の医療を担う気概にあふれ、最先端の医療技術の導入をたえず模索しています。

諸君は、医学部を卒業後、医師として人の命と健康を守る使命を帯びていることを、たえず念頭におきながら仕事をしていかねばなりません。その最初の数年間は、その後の医師としてのありかたを決定する大切な時期です。この時期に、病気や患者への取り組みかたなど、医師としての基本姿勢を身に付けるけですが、身近に経験豊富な優れた医師がいれば、よい医師とは、よい医療とは、などの問いかけへの回答の糸口が得られやすくなります。奈良病院には医師としての資質、技量の優れた指導者が大勢おり、諸君が立派な医師になるのを援助するのに力をおしみません。

奈良病院には、生駒市および周辺の市町村からプライマリーケアを必要とする患者さんが訪れます。一方、各科専門領域の高度な医療を求めて、奈良県内外から患者さんが訪れ、あるいは紹介されてくることから、高度な医療も数多く経験できます。奈良病院で特色ある分野といえば、心臓、血管系の循環器疾患、各領域の悪性腫瘍、母児を含めた周産期の管理、救命救急(第三次)です。いずれも内科系、外科系、産科、小児科、救命救急センターの連携のもとに最善の医療を心がけています。

また、奈良病院は、附属病院、堺病院と共同歩調をとり、かつ、互いに研修協力病院となっています。それぞれの病院のプログラムを相互に利用でき、研修の選択の幅も広く、自分に合った研修が工夫できます。研修終了後は、奈良病院あるいは附属病院や堺病院で助手として働くことも、近畿大学大学院で研究に専念することも可能です。

実りある研修は与えられるものではなく、指導医側の、将来の医療を背負って立つ人材を育成する気概とともに、研修医側の、未来の医療を創造する意気込み、双方がかみ合って可能となります。奈良病院では、指導医、研修医お互いの意見交換の中から、研修プログラムを進化させつつ、医師としての第一歩を踏み出す時期の研修を確かなものにしていきたいと思っております。

病院長 井上 芳樹
病院長 井上 芳樹