このプログラムは、将来の専門診療科が何科であろうとも、小児科診療における初期診断と最小限必要なプライマリーケアを行う基礎的能力を養うための研修を目的として作成されたものである。小児科学の特徴は対象が常に発育しつつある人間であるという点である。小児科診療の研修については、疾患を細分化された臓器の病態としてとらえるのではなく全身の病態として理解する必要がある。また、小児科学は、常にこどもの心身両面の発育を通しての観察が要求される。そのため、診断・治療医学のみならず、予防医学や親子の両者を対象とした育児支援が占める比重も大きい。この研修を通じて全人的、包括的な総合医療としての小児科診療の基礎を習得する。
さらに、NICUにおいて新生児・小児救急医療の基本を習得する。
2ヵ月とする
各習得項目の GIO と SBO について、自己評価と指導医評価を行い、指導責任者(教授)が1週間ごとに総括する。
評価方法は、以下の4段階で行う。
とし、d(到達目標に達していない)と判断された項目、あるいは自分自身で物足りないと感じた項目については、次週に重点的にトレーニングを行い、マスターすることとする。
現在の医師に求められるものは、専門診療科は何であっても、多岐に渡る疾患のプライマリーの診断とケアを行うことの能力である。このプログラムを通じて、諸君が病気のこどもに接したとき、自分で診れる疾患か、小児専門医にゆだねるべきかの判断能力と応急処置法を習得するとともに、こどもと両親(保護者)を含めた適切な育児指導が行えるようになることを目標とする。小児疾患は、"未熟児から思春期まで"、"急性疾患から慢性疾患まで"と、多彩である。時代背景や季節によっても扱う疾患が異なり、また、小児虐待や不登校などの心身症も増加傾向にある。また、小児夜間救急への対応は、少子化、核家族化の現在では避けては通れない重要な任務である。小児救急医療を通じて、両親(保護者)に対する育児支援やこどものありふれた疾患についての基礎知識や応急処置についても啓蒙してゆく必要がある。こどもは未来の宝である。心身ともに健全なこどもの発育を支援するためには、両親に対する教育、こどもを取り巻く環境を含めた指導力も要求される。すなわち、これからの小児科医は、こどもの病気の診断・治療という枠にとどまらず、育成医療も実行できる能力も要求される。日本のよりよい未来を築くために、小児科医は、忙しくともやりがいのある仕事である。多くの小児医療の理解者が輩出されることを願ってやまない。