椿 和央
常時40人以上の血液免疫患者が入院している。
年間の新患患者数は急性白血病20名、慢性白血病10名、悪性リンパ腫20〜30名、骨髄異形成症候群・再生不良性貧血20例、多発性骨髄腫15例、特発性血小板減少性紫斑病15例、膠原病20例、腎疾患20例等でいずれも増加傾向にある。
急性白血病は日本成人白血病研究グループ(JALSG)の登録施設であり、概ねプロトコールに基づいた化学療法を行っている。治療成績もよく標準危険群の完全寛解率は約80%である。前骨髄球性白血病はほぼ全例寛解に達しており、長期生存率も70%を超えている。慢性骨髄性白血病では遺伝子診断による治療有効症例の選別を行い、分子標的療法や幹細胞移植などの治療法の選択を行っている。骨髄異形成症候群では国際予後判定基準に基づき診断し、個々の患者に合った治療法を選択している。再生不良性貧血は厚生労働省造血障害調査研究班のプロトコールに沿って、免疫抑制療法や造血刺激因子による治療や幹細胞移植を行っている。悪性リンパ腫はWHO分類で診断し、同時に奈良リンパ腫研究会へ組織を提出し、正確に診断し、遺伝子検査も行っている。国際予後指標に沿って化学療法の強度、放射線療法や自家を含めた幹細胞移植を選択している。新しい施設であるため、骨髄バンクの指定施設ではないが非血縁移植適応例では近畿大学医学部附属病院(大阪狭山市)と連携により移植を行っている。近い将来に骨髄バンクの指定病院に応募する予定である。
膠原病患者は個々の病態を的確に判断し、パルス療法や血漿交換療法を積極的に行い、新しい分子標的療法や免疫抑制剤の投与を行っている。高血圧や糖尿病、膠原病などに続発した腎疾患の治療、必要があれば血液浄化療法を施行、泌尿器科と協力して透析室を運営している。
大学院生の受け入れは行っていない。血液、免疫部門に興味があり、研究を希望する場合は、近畿大学医学部大学院に入学し、近畿大学医学部血液内科(松村 到教授)あるいは腎膠原病内科(船内正憲教授)の研究室での研究は可能である。これらの研究室では実験データが完成すれば病棟での臨床業務を行うことになっている。将来、近畿大学奈良病院が大学院生の受け入れが可能になれば、臨床研究を中心とした研究を行うことは可能であり、準備も整えつつある。
今後、血液内科に関連した医師は少なく、将来的にはかなり不足することが考えられる。一方、年齢の高齢化、生活環境の変化により、リンパ系の腫瘍(とくに悪性リンパ腫)は増加傾向しており、また、骨髄異形成症候群も増加している。また、幹細胞移植は再生医療とも深く関連しているし、多疾患への応用も今後増大すると思われる。これらの疾患を専門にすることは将来、医師として需要が大いに期待されることは確実である。さらに診療から治療まで全てに関わり、決定することができます。
専門性が高い分野であるが、興味深いことに、これらの分野は全身病として互いに関連する基盤の上に、共通する病態や内科全般にわたる合併症を包括している。開業を目指している方にとっても一般知識や、技能の習得にも大変有利です。
志が高く、やる気のある方を待っています。