平成23年度歯科臨床研修プログラム
研修科名
歯科口腔外科
責任者
氏名:濱田 傑
職位
教授
指導医
5名
研修期間
2年間(24ヵ月)の継続研修であり、近畿大学医学部附属病院において1年次は歯科口腔外科で行う。2年次はアドバンスドコースとして歯科口腔外科での研修に加え、他科ローテーションを含めた臨床研修を行う。
2年次は、医科ローテーション研修に行くものと歯科口腔外科に残る者に分け半年交代とする予定。
受入人数
3名
本院は単独型相当大学病院として、マッチングシステムに参加する。
研修の特色
来る高齢化社会に対し、これからの歯科医療は、口腔の疾病治癒・機能回復のみを目指すのではなく、口腔に関係した全身管理を含めた健康回復・増進を図るという総合性が要求される。このため本院では、一般歯科治療技術の習得はもとより、医科各科との連携による全身管理・全人的な医療の基本の習得を目指している。
研修の目標
本院の歯科医師臨床研修の目標は、歯科医師としての人格の涵養に努めるとともに、患者中心の全人的医療を理解し、すべての歯科医師に求められる基本的な診療能力(態度、技能及び知識)を身につけ、頻度の高い疾患や病態およびプライマリ・ケアに対応できる歯科医師を育成するための初期研修を行い、生涯研修の第一歩とすることである。
第1年次においては個々の歯科医師が患者の立場に立った歯科医療を実践できるようになるために、「基本習熟コース」を自らが実践することで、基本的な歯科医療に必要な臨床能力を身に付ける。地域歯科医療、社会保険診療の取り扱い、コ・メディカル、コ・デンタルスタッフとの連携などについても学習する。
第2年次においては生涯にわたる研修を行うために、「基本習得コース」を頻度高く臨床経験することで、より広範囲の歯科医療、口腔外科治療について知識、態度、技能を習得するとともに、内科・外科・麻酔科・救命救急センター・耳鼻咽喉科・形成外科・メンタルヘルス科などで研修を行い、高頻度の疾患を中心に全身管理に必要な医学的知識の習得に努める。
総合医学教育研修センターおよび研修管理委員会と指導歯科医がプログラムの管理・運営を行い、定期的に研修の進捗状況を確認する。
A.歯科医師臨床研修「基本習熟コース」
- 医療面接
- 【一般目標】
- 患者中心の歯科診療を実施するために、医療面接についての知識、態度、技能を身に付け実践する。
- 【行動目標】
-
- コミュニケーション・スキルを実践する。
- 病歴(主訴、現病歴、既往歴、家族歴)聴取を的確に行なう。
- 病歴を正確に記録する。
- 患者の心理・社会的背景に配慮する。
- 患者・家族に必要な情報を十分に提供する。
- 患者の自己決定を尊重する。(インフォームドコンセントの構築)
- 患者のプライバシーを守る。
- 患者の心身におけるQOL(Quality of Life)に配慮する。
- 患者教育と治療への動機付けを行なう。
- 総合診療計画
- 【一般目標】
- 効果的で効率の良い歯科診療を行うために、総合治療計画の立案に必要な能力を身に付ける。
- 【行動目標】
-
- 適切で十分な医療情報を収集する。
- 基本的な診査(基本的な検査を含む)を実践する。
- 基本的な診査の所見を判断する。
- 得られた情報から診断する。
- 適切と思われる治療法及び別の選択肢を提示する。
- 十分な説明による患者の自己決定を確認する。
- 一口腔単位の治療計画を作成する。
- 予防・治療基本技術
- 【一般目標】
- 歯科疾患と機能障害を予防・治療・管理するために、必要な基本的技術を身に付ける。
- 【行動目標】
-
- 基本的な予防法の手技を実施する。
- 基本的な治療法の手技を実施する。
- 医療記録を適切に作成する。
- 医療記録を適切に管理する。
- 応急処置
- 【一般目標】
- 一般的な歯科疾患に対処するために、応急処置を要する症例に対して、必要な臨床能力を身に付ける。
- 【行動目標】
-
- 疼痛に対する基本的な治療を実践する。
- 歯、口腔及び顎顔面の外傷に対する基本的な治療を実践する。
- 修復物、補綴装置等の脱離と破損及び不適合に対する適切な処置を実践する。
- 救急処置
- 【一般目標】
- 歯科診療を安全に行うために、必要な救急処置に関する知識、態度、技能を体験する。
- 【行動目標】
-
- バイタルサインを観察し、異常を評価する。
- 服用薬剤の歯科診療に関する副作用を説明する。
- 全身疾患の歯科診療上のリスクを説明する。
- 歯科診療時の全身的合併症への対処法を説明する。
- 一次救命処置を実践する。
- 二次救命処置の対処法を説明する。
- 高頻度治療
- 【一般目標】
- 一般的な歯科疾患に対処するために、高頻度に遭遇する症例に対して、必要な臨床能力を身に付ける。
- 【行動目標】
-
- 齲蝕の基本的な治療を実践する。
- 歯髄疾患の基本的な治療を実践する。
- 歯周疾患の基本的な治療を実践する。
- 抜歯の基本的な処置を実践する。
- 咬合・咀嚼障害の基本的な治療を実践する。
- 医療管理・地域医療
- 【一般目標】
- 歯科医師の社会的役割を果たすため、必要となる医療管理・地域医療に関する能力を身に付ける。
- 【行動目標】
-
- 保険診療を実践する。
- チーム医療を実践する。
- 地域医療に参画する。
歯科医師臨床研修「基本習得コース」
- 救急処置
- 【一般目標】
- 歯科診療を安全に行うために、必要な救急処置に関する知識、態度、技能を習得する。
- 【行動目標】
-
- バイタルサインを観察し、異常を評価する。
- 服用薬剤の歯科診療に関する副作用を説明する。
- 全身疾患の歯科診療上のリスクを説明する。
- 歯科診療時の全身的合併症への対処法を説明する。
- 一次救命処置を実践する。
- 二次救命処置の対処法を説明する。
- 医療安全・感染予防
- 【一般目標】
- 円滑な歯科診療を実施するために、必要な医療安全・感染予防に関する知識、態度、技能を習得する。
- 【行動目標】
-
- 医療安全対策を説明する。
- アクシデント、インシデントを説明する。
- 医療過誤について説明する。
- 院内感染対策(Standard Precautionsを含む)を説明する。
- 院内感染対策を実践する。
- 経過評価管理
- 【一般目標】
- 自ら行なった治療の経過を観察評価するために、診断及び治療に対するフィードバックに必要な知識、態度、技能を習得する。
- 【行動目標】
-
- リコールシステムの重要性を説明する。
- 治療の結果を評価する。
- 予後を推測する。
- 予防・治療技術
- 【一般目標】
- 生涯研修のために必要な専門的知識や高度先進的技術を理解する。
- 【行動目標】
-
- 専門的な分野の情報を収集する。
- 専門的な分野を体験する。
- POMS(Problem Oriented Medical System)に基づいた医療を説明する。
- EBM(Evidence Based Medicine)に基づいた医療を説明する。
- 医療管理
- 【一般目標】
- 適切な歯科診療を行なうために、必要となるより広範囲な歯科医師の社会的役割を理解する。
- 【行動目標】
-
- 歯科医療機関の経営管理を説明する。
- 常に、必要に応じて医療情報の収集を行なう。
- 適切な放射線管理を実践する。
- 医療廃棄物を適切に処理する。
- 地域医療
- 【一般目標】
- 歯科診療を適切に行なうために、地域医療について知識、態度、技能を習得する。
- 【行動目標】
- 医療連携を説明する。
歯科医師臨床研修(隣接医学研修コース)(2年次)
- 研修期間
6ヵ月間かけて、内科・外科・麻酔科・救命救急センター・耳鼻咽喉科・形成外科・メンタルヘルス科の各科をローテイトし研修する。
- 研修目標
- 【一般目標】
- 有病者の歯科治療を適切に行なうために、内科・外科の主要疾患を経験し基本を理解するとともに、耳鼻咽喉科・形成外科・メンタルヘルス科研修、さらに麻酔科・救命救急センター研修を行う。ここでは、救急蘇生、患者管理などの基本的な臨床的知識・診療技術を理解することを目的とする。
- 【行動目標】
- おおむね本院臨床研修プログラムの内科・外科・耳鼻咽喉科・形成外科・メンタルヘルス科・麻酔科・救命救急センターの基本研修プログラムに準拠するが、各々の行動目標について歯科医師法に定められた範囲内で研修を行う。
研修の評価
- 研修医の自己到達度評価:自己到達度評価を各ローテート終了時に行う。
- 指導医による研修医評価:各指導医は研修医の評価を行う。
- 総合医学教育研修センター独自の評価表も参考とする。
- コメディカルによる研修医評価:病棟看護長及び、外来看護師、歯科技工士はスタッフの意見も参考にして本プログラム別項に掲載された評価表に基づき研修医の評価を行う。
- 指導医に対する評価:各ローテート毎に研修医は指導医の評価を行う。
- 研修環境(施設等)評価:各施設等における研修を終了した時点で,研修環境評価を行う。
- プログラム評価:2年間の臨床研修終了後,該当プログラム全体の評価を行う。
修了の認定
2年間の研修終了時に、総合医学教育研修センターおよび研修管理委員会は各臨床研修医の研修到達度、各評価より総括的評価を行う。それを受けて研修管理委員会が修了の認定を行う。